「親から土地を受け継いだけれど、家は建っていないし、どう使えばいいのか分からない…」
多治見市・土岐市・瑞浪市でも、こうしたご相談が年々増えています。使わないまま持ち続けると固定資産税や草刈りの負担だけがかさみ、かといって手放すのも気が引ける。相続した土地は、「売る・貸す・活用する」のどれを選ぶかで、10年後の負担が大きく変わります。
この記事では、相続した土地の代表的な活用3択(①売却/②月極駐車場/③貸地・借地)を、費用・収益・向き不向きで比較します。建設と不動産の両方を手がける林組ならではの視点で、東濃エリアの相場感を交えてお伝えします。
まず知っておきたい「放置が一番もったいない」理由
活用方法を考える前に、大前提を一つ。土地は、持っているだけで毎年お金が出ていきます。
土地の固定資産税は「固定資産税評価額 × 1.4%」、市街化区域であれば都市計画税「評価額 × 最大0.3%」が上乗せされます(地方税法)。住宅が建っている土地には税負担を軽くする「住宅用地特例」がありますが、更地や駐車場にはこの特例が使えません。つまり、家が建っていない土地は、同じ広さでも住宅地より税負担が重くなりやすいのです。
さらに、雑草が生い茂った土地は、自治体からの管理指導の対象になることもあります。「草木が生い茂る土地」を放置してご近所トラブルになる前に、早めに方向性を決めておくことが、結局は一番の節約になります。
選択肢①:売却する——現金化して負担をゼロにする
もっともシンプルなのが売却です。管理の手間から完全に解放され、相続人が複数いる場合も現金で分けやすくなります。
相続した土地の売却で使える「取得費加算の特例」
相続した土地ならではの大きなメリットが、「取得費加算の特例」です。相続税を納めた人が一定期間内にその土地を売れば、支払った相続税の一部を売却時の経費(取得費)に加算でき、譲渡所得税を抑えられます。
適用の条件は、相続開始の翌日から「相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日」まで、つまり実質的に相続開始から約3年10か月以内に売却すること(出典:国税庁 No.3267)。この期限を過ぎると使えなくなるため、「相続したら早めに動く」ことが節税につながります。
売却でかかる主な税・費用
売って利益が出た場合は譲渡所得税がかかります。税率は所有期間で変わります。
| 区分 | 所有期間 | 税率(復興特別税込み) |
|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 39.63% |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 20.315% |
出典は国税庁のタックスアンサー(短期・長期)です。このほか、仲介手数料(売買価格が400万円を超える場合は「価格×3.3%+6.6万円(税込)」が上限)などがかかります。
なお、建物付きの実家をどうするかでお悩みの場合は、選択肢が変わります。売却・賃貸・解体・空き家維持を比較したこちらの記事もあわせてご覧ください。
うちの土地は
どう活かせる?
相続した土地の売却・駐車場化・貸地も、まずは無料でご相談を承ります。多治見市・土岐市・瑞浪市など東濃エリアに対応しています。
選択肢②:月極駐車場にする——初期費用を抑えて収益化
「手放したくないが、収入も欲しい」という方に人気なのが月極駐車場です。建物を建てないため初期投資が比較的軽く、いざというときに更地に戻しやすいのが魅力です。
造成費用の目安
更地から駐車場にする際の舗装費用は、仕上げによって次のように変わります(いずれも目安・変動あり)。
| 仕上げ | ㎡単価の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 砂利敷き | 約2,000〜4,000円 | 初期費用が最も安い |
| アスファルト舗装 | 約4,000〜6,000円 | 月極で最も一般的 |
| コンクリート舗装 | 約8,000〜10,000円 | 耐久性が高く長持ち |
駐車マス1台分は約12.5㎡(2.5m × 5.0m)が標準で、通路を含めると1台あたり約15〜20㎡が必要地積の目安です。砂利とアスファルトの違いや使い勝手の比較は、こちらの記事で詳しく触れています。
駐車場の税金には注意
前述のとおり、駐車場(雑種地)には住宅用地特例が使えません。固定資産税がそのままかかるため、「収益が固定資産税を上回るか」を事前に試算しておくことが大切です。表面利回りは「年間賃料収入 ÷ 初期投資額」でざっくり把握できます。舗装工事は外構・土間コンクリート工事とも重なる領域で、林組が自社施工で対応できる分野です。
選択肢③:貸地・借地にする——土地を持ったまま地代を得る
土地を人や企業に貸して地代を得るのが貸地です。自分で建物を建てる必要がなく、うまくいけば長期的に安定収入が見込めます。ただし、契約の種類選びを間違えると、土地が長期間戻ってこないという落とし穴があります。
借地権は3種類。期間と「戻ってくるか」が違う
| 種類 | 存続期間 | 更新 |
|---|---|---|
| 普通借地権 | 30年以上(原則30年) | あり(更新拒否は困難) |
| 一般定期借地権 | 50年以上 | なし(期間満了で返還) |
| 事業用定期借地権 | 10年以上50年未満 | なし(公正証書が必要) |
普通借地権は借り手が保護されており、一度貸すと地主の都合では簡単に返してもらえません。「将来自分で使うかもしれない」土地なら、期間満了で確実に戻る定期借地権を選ぶのが無難です。ロードサイド店舗などに貸す場合は、事業用定期借地権がよく使われます(借地借家法)。
地代の相場は、住宅地で「固定資産税・都市計画税の合計額の年3〜5倍」、商業地で「同5〜8倍」が一つの目安です(民間の目安・変動あり)。
【補足】どれも難しいなら「国に返す」制度も
「売れそうにない、貸す相手もいない、使い道もない」——そんな土地のために、2023年4月から相続土地国庫帰属制度が始まりました。一定の要件を満たせば、相続した土地を国に引き取ってもらえる制度です。
相続土地国庫帰属制度の費用の目安
●審査手数料:土地1筆あたり14,000円
●負担金:原則20万円(10年分の管理費相当を一度だけ納付。市街化区域の宅地などは面積に応じて増額)
費用の詳細は法務省のページで確認できます。ただし、建物が建っている土地や境界が不明な土地などは対象外です。あくまで「最後の手段」ですが、選択肢として知っておくと安心です。
東濃エリアの土地相場(2026年公示地価)
判断材料として、地元の地価も押さえておきましょう。2026年の公示地価では、東濃3市はいずれも横ばい〜微増で推移しています。
| エリア | 坪単価の目安 | 前年比 |
|---|---|---|
| 多治見市 | 約16.99万円 | +0.68% |
| 土岐市 | 約14.64万円 | +0.58% |
| 瑞浪市 | 約13.53万円 | +0.04% |
(国土交通省 公示地価準拠。目安・変動あり/2026年時点)
なお、これは公示地価であり、実際の取引価格とは差が出ます。岐阜県全体の土地の実取引平均は約11.5万円/坪(2025年)で、「相場」は場所や形状で大きく変わるため、正確な価格はやはり個別の査定が必要です。
まとめ|「売る・貸す・活かす」の正解は、土地ごとに違う
相続した土地の活用3択を振り返ります。
この記事の要点(おさらい)
●売却:現金化して管理負担ゼロ。相続から約3年10か月以内なら取得費加算の特例で節税も
●月極駐車場:初期費用が軽く、更地に戻しやすい。ただし固定資産税は割高
●貸地・借地:持ったまま地代収入。契約の種類で「戻ってくるか」が決まる
●どれも難しい場合は「相続土地国庫帰属制度」で手放す道も
どれが最適かは、土地の立地・広さ・ご家族の意向によって変わります。そして共通して言えるのは、放置している間も税金と管理の負担は続くということ。動き出すのが早いほど、選べる道は広がります。
林組は、建設業許可と宅建業免許の両方を持ち(建設業許可:岐阜県知事 許可(般-6)第600899号/宅建業免許:岐阜県知事(1)第5329号)、売却の仲介から駐車場の舗装工事まで、土地活用をまとめてご相談いただけます。多治見市・土岐市・瑞浪市を中心に、地域の相場も買い手の動きも肌感覚で把握しています。「うちの土地は何に向いている?」と迷われたら、まずはお気軽にご相談ください。
※本記事の数値は2026年時点の参考値です。制度・税制・相場は変動するため、個別の査定・税務判定は専門家へご相談ください。税・制度・地価データは、国税庁・法務省・国土交通省の公表情報に基づいています。
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