【2025年夏】空き家の劣化を防ぐ管理法5選 | カビ・シロアリ・台風対策を専門家が解説

夏場の空き家管理5つのポイント。カビ・シロアリ・台風対策を専門家が解説。岐阜・愛知エリアの空き家管理の重要性を示すアイキャッチ画像
8月の猛暑を象徴する強烈な太陽光と青空。空き家にとって過酷な夏の環境を表す画像

「相続した実家、この夏どうすれば…」

8月の猛暑、9月の台風シーズン。

空き家を所有されている方は、夏場の管理にお悩みではないでしょうか。

実は空き家は、夏場のわずか数週間の放置でカビやシロアリ被害が深刻化することがあります。

特に岐阜県は空き家率が16.1%と全国平均(13.8%)を大きく上回っており、高温多湿な夏は建物にとって過酷な環境です。私たち株式会社林組は土岐市を拠点に、こうした地域特性を踏まえた空き家管理をサポートしています。

正しい管理方法を知っているかどうかで、大切な資産の将来が大きく変わってきます。

管理が難しい場合は、相続不動産の売却という選択肢もあります。

相続した家・土地・空き家を家族の未来につなげませんか?

今回は、国の研究機関のデータに基づく「夏の空き家管理5つのポイント」と、東濃エリアで使える補助金情報をお伝えします。


なぜ夏場の管理が「今」重要なのか

科学が証明する夏の劣化メカニズム

国土技術政策総合研究所(NILIM)の研究によると、木材は水分を30%以上含み、気温が20〜30℃になると腐りやすくなります。まさに日本の夏の環境そのものです。

さらに文部科学省のカビ対策マニュアルでは、湿度80%以上でカビが急速に繁殖することが明記されています。エアコンを切った夏の空き家は、この危険ゾーンに簡単に到達してしまいます。

放置がもたらす経済的リスク

空き家の維持には年間35〜50万円かかりますが、夏場の管理を怠ると:

  • シロアリ被害の補修:100〜500万円
  • カビによる内装全面改修:50〜200万円
  • 「特定空家等」認定で固定資産税が最大6倍に

国土交通省のガイドラインでも、管理不全による「特定空家等」認定基準が明確化されており、夏場の衛生管理(害虫・悪臭)は重要な判断要素となっています。


実践!夏の空き家管理5つのポイント

ポイント1

室内湿度を60%以下に保つ
窓ガラスの結露を青いタオルで拭き取っている様子

科学的根拠: 研究によると、湿度を60%以下に保てばカビは生えません。逆に言えば、湿度60%を超えると要注意ということです。

実践方法:

  • 日中の換気は避ける(外気の湿気を入れない)
  • 夕方以降、外気湿度が下がってから短時間換気
  • 湿度計で65%を超えたら即座に除湿対策

以前ご紹介した猛暑対策リフォームの断熱改修も、湿度管理に効果的です。

ポイント2

月1回の水回り封水チェック
S字型の排水トラップ(封水を保つ配管構造)

なぜ重要か:排水口の奥を見ると、配管がS字やU字に曲がっていますよね。

ここには常に水が溜まっていて、この水が『蓋』の役割をして下水の臭いや虫をブロックしています。でも空き家では誰も水を使わないので、この『水の蓋』が1〜2ヶ月で蒸発してなくなってしまいます(これを封水切れといいます)。すると下水管と室内が直接つながった状態になり、悪臭や害虫が入り放題に。特に台風後は気圧変化で水が抜けやすくなるんです。

実践方法:

  • 全ての排水口に2〜3リットルの水を流す
  • キッチン、浴室、洗面、トイレ、床排水を忘れずに
  • 台風が過ぎた後は、気圧変化で水が抜けている可能性があるため、もう一度水を流しておく

ポイント3

基礎周りの「ミリ単位」点検
わずかな隙間から侵入するシロアリのイラスト。0.6〜1.3mmの隙間があれば侵入可能

驚きの事実: シロアリは0.6〜1.3mmの隙間から侵入可能

チェック項目:

  • 基礎の入隅・出隅の微細な亀裂
  • 配管貫通部のシーリング劣化
  • 蟻道(土の道)の有無
  • 羽アリの死骸や木くずの発見

外構工事の基礎知識でも触れた通り、基礎周りの管理は建物全体の寿命を左右します。

ポイント4

台風前後の「二段階チェック」
上空から見た巨大な台風の目。9月の台風シーズンに備えた空き家管理の重要性を示す衛星画像

台風前(24〜48時間前):

  • 飛散物の固定・屋内搬入
  • 雨戸の点検・施錠確認
  • 側溝・排水溝の清掃
  • 庭木の支柱補強

台風後(安全確認後速やかに):

  • 屋根材・外壁の破損確認
  • 雨漏り跡のチェック
  • ガラスの割れ・ひび確認
  • 写真記録(保険申請用)

ポイント5

管理記録で資産価値を守る

なぜ記録が大切か: 

空き家を管理する際、いつ・何をしたかを記録しておくことで、「きちんと管理されている物件」として価値を保てます。自分で管理する場合も、業者に依頼する場合も、以下の記録を残しましょう。

記録すべき項目:

  • 訪問日時と天候
  • 室内湿度・温度の数値(湿度計で測定)
  • 各部屋の状態を写真で記録(日付入り)
  • 実施した作業(換気、通水、清掃など)

この記録は、将来の売却時や相続登記から売却までのプロセスで、物件の管理状態を証明する重要な資料となります。

また、万が一のトラブル時に「いつから問題が発生したか」を特定する証拠にもなります。


東濃3市の空き家補助金を賢く活用

東濃3市の空き家補助金を賢く活用

自治体改修補助除却補助特徴
土岐市 空き家リフォーム補助金上限100万円(1/2)上限50万円(1/2)空き家バンク登録で対象
瑞浪市 空き家等改修補助金交付事業上限100万円上限50万円(1/2)市内業者利用で2/3補助
多治見市 空き家再生補助金リフォーム1/2取壊し全額補助※条件により全額補助も

※補助金制度は変更される場合があります。最新情報は各自治体にご確認ください。

相続不動産の活用法と税制優遇と併せて検討することで、より効果的な資産活用が可能です。


まとめ

夏の空き家管理は「湿度60%の壁」「封水の守り」「1mmの警戒」「台風の備え」「記録の力」の5つがカギです。

大変そうに見えますが、実は月1回の適切な管理で、ほとんどのトラブルは防げます。大切なのは『ポイントを押さえた管理』を継続することです。

林組は土岐市で培った地域密着のノウハウを活かし、瑞浪市、多治見市、可児市、美濃加茂市、そして愛知県の瀬戸市、春日井市、小牧市、名古屋市まで、幅広くサポート。

バリアフリーリフォームから夏の庭リフォームまで、建物のことなら何でもご相談ください。

「今年の夏こそ、空き家管理を始めてみませんか?」

まずは無料相談から。お電話一本で、あなたの大切な資産を守るお手伝いをさせていただきます。

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